金剛永謹からのご挨拶

ご挨拶

金剛流宗家 金剛永謹

平素より皆様にはひとかたならぬ温かいご芳情を賜り心より厚く御礼申し上げます。
七百年に亘り連綿と演じ続けられている能楽は、どのような時代にも平和と人の心の安らぎ、「人間にとって本当に大切なものは何か」を舞台を通して探求してきました。
金剛流は古くは法隆寺の坂戸座に由来し、能楽五流の中で唯一関西を本拠地とする流儀です。長年培われてきた伝統と山紫水明の自然の中で育まれてきた京都ならではの金剛流の能の魅力をぜひお楽しみいただけますれば幸いです。
今後とも、流儀一同力を合わせ斯道に全身全霊精進して参る所存でございますので、何卒宜しくご支援、ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。

金剛流宗家 公益財団法人金剛能楽堂財団 理事長 金剛 永謹

プロフィール

1951年、能楽金剛流二十五世宗家金剛巌の長男として京都市に生れる。幼少より父・金剛巌に師事。4歳で初舞台を踏み、6歳でシテを演じる。1998年9月18日金剛流二十六世宗家を継承。
「舞金剛」と呼ばれる華麗で躍動感溢れる金剛流独特の芸風に、「京金剛」ともいわれる優美で雅やかさが加わった芸風が特徴。シテ方五流宗家の中で唯一、関西を本拠地とする。2003年に四条室町の金剛能楽堂を京都御所の西向かいへ移転、竣工。
金剛流第1回の海外公演であるカナダ、アメリカ公演団長を皮切りに、イタリア、スペイン、フランス、ポルトガル、ロシア等海外公演多数。
1984年京都市芸術新人賞、1986年京都府文化賞新人賞、2004年京都府文化賞功労賞受賞。2010年京都市文化功労者表彰。第67回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2018年紫綬褒章受章。2023年(令和4年度)恩賜賞・日本芸術院賞受賞。2023年重要無形文化財「能楽」各個指定保持者(人間国宝)認定。フランス芸術文化勲章オフィシエ受章。
公益財団法人金剛能楽堂財団理事長。一般社団法人日本能楽会会長。一般社団法人金剛能楽会代表理事。一般社団法人金剛会代表理事。京都市立芸術大学客員教授。著書に『金剛家の面』、『金剛宗家の能面と能装束』がある。