豊富な現行曲と小書
各流派が保持している上演可能なレパートリーを現行曲(げんこうきょく)と呼びます。その数は流儀により一様ではなく、金剛流は観世流に次いで多い202曲の現行曲を揃えます。
能の上演に際しては、各流派で基準となる演出が決められていますが、ときに演技や装束などに若干の変化(特殊演出)をもたらせることがあり、その場合プログラム(番組)の演目名の下に小さく記します。これを小書(こがき)と呼び、たとえば『土蜘蛛(つちぐも)』の小書「千筋之伝(ちすじのでん)」、『小鍛冶(こかじ)』の小書「白頭(はくとう)」など金剛流では計200ほどの小書演出をもちます。
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